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精神分裂症とはどう違う

結論から言うと「精神分裂病」と「統合失調症」は、同じ病気です。2002年8月、日本精神神経学会が、1937年から使われてきた「精神分裂病」という病名を「統合失調症」に変更することに決めました。その一番の理由は、「精神分裂病」という病名に、多くの人々が偏見を持っていたからです。

「統合失調症」というのは古代からある病気らしく、ギリシア時代の文献にも記載されているといいます。有効な治療法がなかった時代、人々はこの病気の患者に恐怖心を抱いたり、不治の病と恐れたりしたようです、中世には宗教裁判や魔女狩りの対象になったこともあったといわれています。

病気の原因日本においても、病気の原因が解明されず、長い間、統合失調症の患者は、社会から隔離されていました。確かに、一般の人には、この病気の症状が常軌を逸した奇妙なもので、なかなか理解しにくかったと思います。「何をされるか分らない」という、不可解なものに対する恐怖心が、この病気の人を遠ざけていたのは事実です。

近年では研究が進み、脳の病気であると認められるようになり、治療で治ることがわかってきました。そこで、誤解と偏見、不当な差別を解消する必要があるということから、「精神分裂病」は「統合失調症」へと呼称変更されたのです。

 

他の病気と同時に発症する場合

統合失調症を患った場合、時に他の病気を併発する場合があります。ざっと調べただけでも、「思路障害」「不安障害」「睡眠障害」「摂食障害」「パニック発作」「うつ病」「躁病」「自律神経失調症」「抑うつ症状」「強迫症状」などさまざま。とはいえ、併発が誰にでも起こるわけではありません。早期発見、正しい治療を行い、完治を目指すことで、このような事態を回避することはできます。

中でも統合失調症と「うつ病」は併発しやすいようです。

顕著な例は「分裂感情障害」でしょう。これは統合失調症と気分障害(うつ病・躁病など)の特徴を持つ病気です。青年期に急激に発症することが多く、発症以前は心身ともに良好であることが多いと言われています。

この病気は、統合失調症、躁病、うつ病の全ての症状を含み、同時または交互に症状が現われます。発病当時は統合失調症の幻覚・妄想状態だったのに、その後は、躁うつ病になってしまったり、逆に、最初は躁うつ病かと思ったのに、統合失調症の症状が出たりなどの経過をたどります。そのため、ある病院では「躁うつ病」、別の病院では「統合失調症」と診断されるということも生じます。

 

完治不能の病気ではない

統合失調症は治療で治すことができる病気です。未だに「精神分裂症」当時の誤った認識があるためか、「精神病だから、もう治らない」とか「元の生活には二度と戻れない」という人もいるようですが、あきらめてしまうのは間違いです。

統合失調症の治療の基本は、抗精神病薬の投与です。この薬は、妄想、幻覚、支離滅裂な思考などの症状を軽減するのに効果があります。急性期の症状が治まった後、投薬を継続すると再発の可能性をかなりの割合で抑えることができます。

症状が落ち着いてきたら、抗精神病薬を服用すると同時に、社会復帰へ向けてのリハビリテーション、心理療法などを開始。時間はかかりますが、完治できないということはありません。ただし、完全に治すことは容易ではないといえます。というのも、統合失調症は再発することがあり、消耗期・回復期に、再び罹病してしまうと、また最初から治療をはじめなければならざるを得ない場合があるからです。

これが続くと、発症~再発を行ったり来たりする悪循環に陥ります。その大きな原因は、薬物療法をやめてしまうことにあるといわれています。誰でも病気は早く治したいですよね。統合失調症も同じで、表面的な症状がなくなると投薬をストップしてしまう患者が少なくないようです。しかし、これでは治るものも、治らなくなります。

不時の病ではない担当医師と相談しながら投薬を続け、根気良く治療を行うことが、遠回りのように見えて、社会復帰への一番の近道といえるでしょう。