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「統合失調症」にかかった人は「何も出来ない」は間違いです

「統合失調症」をはじめ、心の病にかかってしまったら「もう将来はない」と思ってしまう人がいるそうですが、決してそんなことはありません。

きちんと治療をして、リハビリテーションを行い、病を克服した後に、社会復帰を果たした人は数多くいます。

また、「統合失調症」を患っても、世に名を残した有名・著名人も少なくありません。国内外を問わず、有名な芸術家もいれば、ノーベル賞受賞者もいます。

「統合失調症」だった(そう考えられている)人たちをざっとあげただけでも、これだけいるのです。

ジョン・ナッシュ:アメリカの数学者 1994年ノーベル経済学賞受賞
エドヴァルド・ムンク:ノルウェーの画家
芥川龍之介:日本の小説家
フランツ・カフカ:チェコの小説家
夏目漱石:日本の小説家
フリードリヒ・ニーチェ:ドイツの哲学者・思想家
フィンセント・ファン・ゴッホ:オランダの画家
ジャン=ジャック・ルソー:フランスの哲学者・政治思想家・教育思想家・作家
草間彌生:日本を代表する前衛芸術作家。彫刻家、画家、小説家
ルイス・ウェイン:イギリスの画家、イラストレーター
トム・ハレル:アメリカのジャズ・トランペッター

彼らの全てが病を克服し、偉大な作品を残したというわけではありませんが、病と闘いながら自分の才能追求していたということは、文献や証言などから垣間見ることができます。

統合失調症を患いながらもノーベル経済学賞を受賞

天才数学者ジョン・ナッシュ(ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニア)は、統合失調症を患いながら、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニととも「ゲーム理論」によりノーベル経済学賞を受賞しました。彼の半生は映画『ビューティフル・マインド』で描かれてたので、ご覧になった方も多いかと思います。この映画からは、ナッシュの天才的な数学的才能とともに、統合失調症患者の苦悩をうかがい知る事ができます。

ナッシュは、幼い頃から天才的数学の才能を発揮。1958年には、29歳の若さでMIT(マサチューセッツ工科大学)の終身職員の権利を得ます。しかし同じ年、アリシア夫人の妊娠と時期をほぼ同じくして精神病に罹患。今で言う「統合失調症」と診断されました。

その後は、数学を研究する傍ら治療を続け、入退院を繰り返します。70年代になると、少しずつ回復の兆しを見せ始め、1980年代後半には統合失調症から快復したのです。

この間、ナッシュを支えたのは、1963年に離婚しながら、1970年には彼を引き取った元妻のアリシアでした。

投薬拒否、再発を繰り返しながらも、約30年かかって統合失調症克服したナッシュ。長い時間ではありますが、克服は可能だということを、彼の半生から知ることができます。

叫び~統合失調症だったエドヴァルド・ムンク

エドヴァルド・ムンクエドヴァルド・ムンクは、代表作『叫び』で知られる画家ですが、彼も統合失調症だったといわれています。両手で耳をふさいだ人に、苦悩・恐怖・孤独を投影したような不気味なタッチで描かれた『叫び』は、ムンクの実体験に基づいているのだそうです。

ムンクは5歳の時に母を亡くし、姉と弟も若くして他界してしまったことから「死」を身近に感じるようになり、そこのことは彼の芸術に生涯影響を与え続けたということです。

ムンクが精神不安定な状態に陥った原因のひとつが、恋人とのトラブルです。1902年の夏、ムンクはかつての恋人、トゥラ・ラールセンと数年ぶりに再会します、しかし二人の間は不和となり、発砲事件(事の真相は不明)を起こしてしまい、ムンクは左手中指の関節の一部を失ってしまうのです。

この頃からムンクは精神不安定になり、アルコールに溺れるようになります。そして1908年には統合失調症ということで、1909年にかけてデンマークの著名な精神科医のもとで療養生活を送ったそうです。

その後はノルウェーに戻り、創作活動を続けます。後半生は心身の健康が回復しますが、1944年に80歳で没するまで、孤独や不安などをテーマに絵を描き続けました。

投薬治療を続けるジャズ・トランペットの名手

マイルス・ディヴィス、チェット・ベイカーら亡き後、その後継者として活躍する、ジャズ・トランペッター、トム・ハレル。彼は若い頃から統合失調症に悩まされており、今も闘病を続けているといいます。

ハレルが病気を発症したのは、大学在学中、20代の時。

8歳でトランペットを始め、子供時代は快活な子供だった彼が、自殺を図ろうとしたのです。

ハレルは幻聴を聞いていました。「窓から飛び降りろ」と言う声に従い、命ずるままに行動したといいます。

彼の病名は、妄想と幻聴が繰り返し起こり、現実と非現実の区別が付かなくなる「妄想型統合失調症」。

ハレルはステージでは終始うつむきがちですが、トランペットを吹く場面になると、まるで人が変わったかのように、見事なアドリブを聴かせてくれます。

彼が一日も早く回復し、さらにいい演奏をしてくれる日がくることを願わずにはいられません。