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抗ヒスタミンと自律神経

統合失調症になったあとの経過は、ひとことで言うと千差万別、人によってさまざまです。これだけ違う経過をたどる病気は、ほとんどないと言っても過言ではありません。専門医であっても予測が難しい疾病ではありますが、最初の症状~前駆症状は、治療を施すことによって治まることが多いといわれています。

「抗ヒスタミン症状」は、急性期の興奮状態を静めるなど場合、薬の作用が強すぎて起きる症状です。

具体的な症状をあげると、「眠気」「身体がだるい」「体重増加」などが報告されています。なんとなく、ぼーっとしてしまうという感じですね。

このような症状が頻繁に出るようだと、日常生活や会社復帰などに悪影響をもたらすことがあります。

抗ヒスタミン症状その場合、服薬量を減らす、あるいは抗ヒスタミン症状の少ない薬に切り替えるといった対処法がありますので、主治医の先生に相談するとよいでしょう。該当薬剤を中止すれば、2~3カ月ほどで症状はなくなります。

「自律神経症状」には、「口が渇く」「唾液が通常より多くなる」「目がかすむ」「便秘になる」といった症状があります。

「便秘」にかんしては、「抗精神病薬」全般に見られる副作用で、腸の働きが悪い場合と、逆に活発になり過ぎて水分の吸収力が高まるために起こる場合とがあるようです。

自律神経症状を引き起こす抗コリン作用が、比較的少ない薬を処方してもらうことで改善が期待できますので、症状が気になる場合は、こちらも主治医に相談することが大切です。

 

パーキソンとアカシジア

「パーキソニズム症状」というのは、パーキンソン病に見られる運動減退の総称で、幻覚や妄想を和らげ、鎮静作用を主作用とする抗精神病薬を投与することで「手が震える」「舌がもつれる」「姿勢が前かがみになる」「歩行が小刻みになる」「動作緩慢」「筋強剛」などの症状が現われることがあります。

姿勢が悪くなるので、周囲の人は「とんでもない病気にかかったのでは?」心配するかもしれません。一般的には副作用止め「抗パーキンソン剤」を併用することで、かなり改善できるようです。

「アカシジア」は静座不能症とも呼ばれる症状です。抗精神病薬の投与後、比較的早期に出現し、患者は「じっとしてられない」「寝ていても足がむずむずする」「貧乏ゆすりがひどくなる」といった症状を訴えます。

こちらも幻覚や妄想を緩和する薬で生じますが、患者が強い焦燥感に囚われた時や不安が強い時など、心理的に不安定な状態で起こることが多いようです。こちらも抗パーキンソン剤が効果的ですが、心理的な不安を和らげるような環境作りも症状軽減に役立ちます。

 

急性ジストニア

「黒目が意思とは無関係に上を向いてしまう」「首が引き攣れて変な方向にねじれてしまう」「舌が引っ張られる」「ろれつが回らない」といった症状が起きると、「急性ジストニア」の疑いがあります。

この症状は、統合失調症薬であれば、どの薬でも起こりうる副作用です。

また薬の副作用だけでなく、緊張や疲れなどがたまったときに起きやすいようです。

首や目が、自分の意思とは違う動きをするため、患者はかなり不自由な状態となりますので、なるべく早く主治医に相談することが大切です。副作用をおさえるには、抗パーキンソン薬を服用します。

急性ジストニアは、めったに起こる症状ではありませんが、急に発症すると、かなり動揺するかもしれません。中には「悪性症候群ではないか?」という不安にかられる場合もあります。

「悪性症候群」の場合は、筋肉が奇妙な方向に曲がってしまうというより、単に固く強張ります。さらに高熱が出るなどの症状が起きますので、混同しないようにしましょう。

 

遅発性ジスネキジア

「遅発性ジスキネジア」は、抗精神病薬を長期間(数カ月以上)飲み続けていると起きることがあります。「口を無意識にもぐもぐさせる」「唇をすぼめたり尖らせたりを繰り返す」「舌を左右に揺らす」「舌を突き出す」「頭や肩を無意識に動かし続ける」など、頭部、四肢、体幹の筋肉に異常な動きが現われます。

一度この症状が起きると、なかなか改善しません。ただし、発症の可能性は極めて低いといえます。

ただ、これらの症状を単なる癖だと思い込んで自覚しにい、患者が異常をうまく伝えることができないことも少なくないため、発見が遅れてしまうこともあります。また高齢の人に多く見られるようです。

現在のところ効果的な治療法はありません。可能であれば、投薬を早急に中止、または減量することが最善の対処法といえます。とはいえ、薬の中止や減薬が、かえって症状を悪化させる危険性もあるので、慎重に対処することが大切です。

症状を悪化させないためにも、疑わしい症状が現われたら、早目に主治医と相談しましょう。本人はもちろん、家族や治療スタッフも、症状、副作用発現に注意を払っておきたいものです。

 

悪性症候群

悪性症候群「悪性症候群」は、抗精神病剤を使用する際には、最も考慮すべき副作用です。発症確率は約3%とまれですが、放置すると生命に関わることもあるため、十分な注意が必要といえます。

この症状は、急性期で心身ともに疲労が激しいとき、大量の薬を投与すると起こることが確認されています。特に薬の投与量を急激に増やした、治療開始時から大量の投与を受けた男性に多くみられるそうです。

典型的な症状を下記にあげますが、まず原因のハッキリしない発熱があった場合は、悪性症候群を念頭に置く必要があります。

悪性症候群を疑うべき症状

①発熱(38~40℃に至る高熱を発する)
②発汗
③唾液分泌過多
④言語不明瞭
⑤嚥下障害
⑥速い呼吸
⑦意識障害
⑧筋肉のこわばりなど

悪性症候群に、脱水症状・栄養障害・呼吸障害・循環障害・腎不全などを併発すると、死に至ることもあります。

治療の基本は、まず抗精神病薬を中止し、水分・栄養補給をはかること、熱を下げることです。加えて症状を抑える薬剤を投与します。重症な場合には集中治療室等の利用が必要となることもあります。