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再発させない為には
もう治ったと思っていたら…
「消耗期」を過ぎ、「回復期」にまで症状が改善されると、少しずつ元気が出てきて、患
者の心身も安定してきます。デイケアや生活技能訓練(ソーシャル・スキル・トレーニン
グ)、作業療法などを始める人も多く、社会復帰に向けて最後の頑張りどころです。
しかし、この時期はちょっとした油断で病気が「再発」してしまうこともあるのです。
再発の原因と考えられるものは、いくつかあります。そのひとつが、薬の服用をやめてしまうことです。
少しずつ、発症前の自分を取り戻してくると、「もう大丈夫だから、薬はいらない」と自信を持ってしまうのは仕方ないことかもしれません。
でも、それは一時的なもので、服用をストップした、勝手に量を減らした途端、再発してしまったという報告は決して少なくないのです。
これは通院にもいえることで、不快感が消えたからといって治療を怠ることは、時計の針を逆に回すことになりかねません。
患者や家族が、主治医の許可なく、自分たちの判断で投薬や治療をコントロールすることは、社会復帰の妨げになり、大変危険なことです。
再発しやすいのは、このようなタイプ
患者が治療の指示を守らなかった場合、どのくらいの割合で再発すると思いますか?
例えば、きちんと薬を摂らなくなったとしたら、患者の70?80%が、1年以内に統合失調症の症状を再発するという報告があります。逆に、継続的に薬を服用すると、再発率は20?30%程度に下がり、症状は大幅に緩和されます。
また退院後、処方された薬を服用しない人は、1年以内に再入院する確率が非常に高くなるようです。ところが指示通りに服用すると、再入院率は驚くほど低くなるのです。
また、発症時の状況によって、回復・再発の度合いが変わってくるようです。
・回復が良好で、再発し難いタイプ
発症時の様子⇒突然の発症した、発症年齢が高かった、発症前の能力や業績のレベルが高い、陽性症状が顕著
・回復がゆっくりで、再発に注意が必要なタイプ
発症時の様子⇒発症年齢が低かった、発症前の社会的機能や職業的機能が低い、家族の中に統合失調症患者がいた、陰性症状が強かったといったことが報告されています。
ストレスも再発の引き金になります。
心理的・社会的ストレスも、再発のきっかけになります。
「ストレス」と言うと「病気を誘発する要素」ととらえている人も多いかと思いますが、適度なストレスは試験や仕事時、人間の行動を刺激する重要なものでもあるのです。
ストレスの感じ方、ストレスに耐える能力には個人差があり、大きなストレスを与えられても健康を維持できる人もいれば、些細なストレスでも心身に異常をきたす人もいます。
ここで、統合失調症再発防止の条件をまとめておきます。
・再発を防止するため、これだけは守りましょう。
① 薬物療法の継続⇒症状が緩和、回復を感じられてきても、再発を防止するために薬を飲む。
②ストレスの軽減⇒家族や周囲の協力を得て、急激なストレスや疲労を回避する。
③リハビリテーションの活用⇒対人関係で生じるストレスへの耐性をつけるために、自分に合ったリハビリテーションを行う。
④統合失調症を理解する⇒患者はもちろん、家族など身近な人も病気について理解し、再発時の早期発見、早期治療を心がける。
⑤主治医の指示があるまで通院をやめない⇒あせらず地道な治療を続ける。
再発のサインを見逃さないで
統合失調症は自覚しにくい病気で、罹病しても顕著な症状が出現しないと、長年、気がつかないまま放置してしまうこともあります。
再発の場合も同様、発症に気がつくのに、時間がかかることがままあります。さらに「治った」「回復した」と思っているので、さらに発見が遅くなる可能性もあります。
統合失調症は再発しやすく、発病初期の5~10年間は再発のリスクが高い傾向にあります。また再発を繰り返すと症状が重くなり、回復も困難になっていきます。
再発の兆候は人それぞれですが、わりと同じパターン再発することが多いといわれています。よく聞かれるパターンとしては、「眠れない」「イライラがひどくなる」「敏感になる」などがあげられます。再発のサインとしては以下のようなものがあります。
・再発のサイン
①昼夜が逆転した生活になる⇒不眠症になる、朝、なかなか起きられない。
②家の中を、そわそわ歩き回るようになる⇒落ち着きがなくなる。
③食欲不振を訴える⇒体の調子が悪い。
④わけもなくカリカリする⇒攻撃的になる。
⑤自室に引きこもる⇒ コミュニケーション能力が低下する。
⑥突然、いきいきと活発になる⇒躁うつ病のような症状がでる。
⑦発病時の体験など、心的外傷体験を語るようになる。
⑧被害妄想的な態度が見られる⇒すねたり、不満を言う。
⑨作業所やデイケアを突然やめてしまう。
⑩うつ症状になる⇒ぼーっとしたり、考え込んだりする。
上記のような症状がでたら、再発の可能性が高いといえます。
