スポンサードリンク
家族や友人が罹病したら
何かおかしい……気がついたら、まずは相談を
統合失調症には、患者本人が「罹病したことになかなか気付かない」という特徴があります。
そのため、「誰かが盗聴している」という妄想や幻聴を訴え、急に人が変わったようになってしまうまで、病気だと認識されない場合も少なくありません。
発症が確認されることが多い「急性期」には、「幻聴」「妄想」のほかに、「興奮」「奇異な行動」といった日常生活を逸脱する症状が現われることも多いので、「一体何が起こったのだろう?」と驚いてしまうこともあるでしょう。
また急性期に至るまでには「前駆期」があり、「睡眠障害」「焦燥感」「不定愁訴神経症状態」などが確認されます。急性期ほど顕著な症状ではありませんが、「自分が自分でなくなったよう」な感覚があるといいます。
何らかの症状が頻繁に起こり、それが続くようであれば、とにかく専門医に相談することです。精神科系の病院に行くのは抵抗感があるかもしれませんが、統合失調症は早期発見・早期治療が回復の早さや治療効果に大きく関与します。
ただ、専門医に診てもらおうと思っても、「どこの病院に行けばいいのかわからない」などという人もいるでしょう。そういう場合は、最寄りの保健所や精神保健福祉センターなどに相談するのがよいかと思います。また、かかりつけの医師や病院に紹介してもらうのも、
ひとつの方法です。
統合失調症は治る病気であることを忘れないで
統合失調症発症率は約1%ではありますが、誰にもで起こりうる病気です。「自分だけ
は大丈夫」ということではありません。決して、特別な病気ではないのです。
もちろん、自分の家族や友人にも同じことが言えます。
「統合失調症」は、ちょっと前まで「精神分裂症」という病名で、原因もわからず、不治の病だと考えられていました。
そのため、患者は多くの人に誤解され、「就職できない」「結婚に不利」「いじめ」など、病気以外の問題に悩まされることも多かったのです。
このような状況から、周囲も、自分の家族に精神分裂症(統合失調症)患者がいることを知られないよう、できるだけ隠そうとしていました。
しかし、近年は病気に対する研究が進み、この病気が脳神経のネットワークにトラブルが生じる「脳」の機能障害であることがわかってきました。また、治療薬の開発により、治療効果も格段にあがっています。
統合失調症は「誰にでも起こる病気」だと踏まえて、患者の一日も早い社会復帰を目指していくことが大切です。
周囲の不安を患者に伝えないようにするには
統合失調症は「脳の病気」です。とはいえ、一般的な社会生活が送りにくい症状が出てし
まうことは否めません。
「病気である」と認識していても、奇異な行動や理解できない言動に戸惑ってしまうこともあるでしょう。
そのような周囲の不安は、どうしても患者に伝わってしまいがちです。そのため、患者が孤独感に陥ってしまう場合もないとはいえません。
統合失調症治療においては、家族や周囲の理解と協力が必要かつ、とても大切です。特に通院治療の場合、患者のストレスを減らすことで再発を防止する効果もあります。
家族が感情的になってしまうと、患者にも影響してしまいます。
どうしても行き詰ってしまった場合は、かかりつけの専門医はもちろん、患者や家族を支援する団体や地域の支援施設・スタッフなどに相談することをおすすめします。
回復する前に家族がダウンしてしまっては、治療にも影響がでます。
支援施設やスタッフの中には、自身が統合失調症患者だった、家族が統合失調症患者だという人も少なくありません。自分の経験を含めたアドバイスは、何より心強いかと思います。
回復のスピードには個人差がある
統合失調症は、「注射を打ったら治った」「薬を飲めば完治する」という病気ではありません。基本的には地道な治療を続け、時間を掛けて社会復帰を目指すことが一番の近道といえるでしょう。
加えて、回復のスピードには個人差があります。
決められた投薬時間、投薬量を守り、病気と前向きに取り組めればおのずと回復は早まりますが、この病気の特徴でもある「病気であることを認めない」患者の場合、治療が進みにくくなります。
また、家族の取り組みにも注意が必要です。
「早く回復して欲しい」と思うのは当然のことですが、患者以上に家族があせってしまうと、患者本人にプレッシャーがかかってしまい、治療スピードが落ちてしまうことも考えられます。
骨折や切り傷のように、目に見えて回復していくという疾病ではありませんし、回復の進み具合も患者によっては大きく異なります。良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に回復していきます。数ヶ月から数年かかる場合もありますので、長い目で焦らずに見守っていくことが大切です。
「まだ治らない」「治療の効果がでているのだろうか?」と不安になるより、規則正しい生活、薬の正しい服用、適度な運動を心がけることが大事だといえます。
「不用意な励まし」などは逆効果に
統合失調症の患者は、周囲の人たちの接し方に対して、とても敏感になっています。特に家族や友人といった、身近な人たちに不信感を抱くと、病気の回復や再発に大きな影響を与えるといわれています。
中でも気をつけたいのが「過剰な期待」や「不用意な励まし」です。
回復期になると、急性期のややをもすれば攻撃的な症状は影を潜め、患者は引きこもったり、家でごろごろすることが多くなります。そんな彼らの姿は、家族にとって歯がゆいと同時に、「もう一息。ちょっと頑張れば元にもどるのでは?」という期待感を持たせてしまうことがあります。
そうなると、「調子がよくなってきたみたいだから、少し外へでてみたら」「何か始めてみたら?」などといった、行動を促すような言葉をかけてしまいがちですが、彼らの意識は、まだそこまでには至っていないことが少なくありません。「そんなこと言われても無理だ」と、さらに閉じこもってしまうこともあるようです。
また、「大丈夫」「頑張って」といった何気ない励ましが、患者をかえって不安にさせたり、過剰なストレスを与えることもありますので気をつけてください。
